8月に行った上関で,漁船で調査をしたんだけど,ある集落で一人だけ漁業補償金をもらっていないといういかす反核船頭さんが,「盆には,これを食べるんよ」と船の上で出してくれたのが,この「瀬戸貝のそーめん」.
瀬戸貝というのは,イガイのことで,ムール貝のでかいやつなんですが,とってもおいしかった.なにしろ船頭さんは,朝の4時に起きて,この汁を3時間もかけて作って,汁と麺を別々に冷やして持って来てくれたのだ.
それで,私はいろいろレシピの秘密を執拗に探ろうとしたのだが,要は気のすむ味になるまで,材料を煮込んだり,醤油や水を足したりするだけで,「だんだんと,汁が増えていくんよ,わはは」なんだそうだ.男らしい.
ところで,私が感動ひとしおだったのは,汁に入っているタマネギで,故郷の姫島でもソーメンは甘いタマネギ汁だった.ソーメンや冷麦にはタマネギ汁が世界の定番!と思っていたんだけど,どうやらそんな世界はあまりないようで,「姫島と上関周辺だけじゃないのか」という人までいた.私は結婚してから10年間,タマネギ汁のソーメンが出て来ないのを不思議に思い,来る日も来る日も待っていたんだけど,それはとても非常識なことだったのかと,いやほんとにショックを受けてるわけです.
皆さんの田舎では,どうでしょうか.
こちらは,反原発料理ではないのですが(笑),上関温泉で食べた「瀬戸貝チャーハン御膳」.これも,おいしかった.イガイは以外と,たくさん採れる地方が少なくて,こういうローカル・ベントス料理があるのは素晴らしいと思った.
投稿者: you


前ブログでのコメント
返信削除投稿者:you2009/9/8 18:37
玉葱の甘味が,すごくいいんですよ.私も自分で作ってみようかと.
投稿者:ららら2009/9/7 0:52
玉ねぎ汁は初耳です。でも、とってもおいしそう! 特別な食材ではないのに、しかもおいしそうなのに定着してないのは何故? 試してみます!