泡瀬埋め立て中止へ 前原沖縄相が表明
1区は中断 2区中止
【東京】前原誠司沖縄担当相は17日、国土交通省で会見し、国と県などが沖縄市で進めている泡瀬沖合埋め立て事業(東部海浜開発事業)について、「1期(区)中断、2期(区)中止の考えを持っている」との見解を示した。財源確保のため無駄な公共事業を見直す民主党の方針を説明した上で、「これからさまざまな地域で公共事業が見直されていく。地域の声を聞いて事業評価をして事業を進めるかを判断するが、(泡瀬埋め立て事業は)1期中断2期中止の方向で進めていきたい」と同党の沖縄ビジョンで明記した姿勢に変わりがないことを強調した。
泡瀬埋め立て事業をめぐっては、地元の沖縄市で住民が推進派と反対派に割れる中、2002年に護岸などの工事に着手した。
東門美津子沖縄市長は07年12月に「1区は推進、2区は推進困難」との見解を表明。09年1月には15万5000立方メートルの土砂を投入する埋め立て工事を行った。国、県、沖縄市はこれまで計260億円を投じている。
一方、反対派の住民が那覇地裁に事業公金支出差し止めを求めた訴訟では、08年11月に「経済的合理性がない」として、県と沖縄市に新たな公金支出の差し止めを命令。県、同市は控訴し、10月15日に控訴審判決を迎える。
一審判決後に事業計画の見直しに着手した東門市長は「1区はぜひ進めてほしいというのが市の立場。さまざまな角度から事業を検討し、土地利用計画を見直した」とし、担当する大臣らに事業計画を直接説明し、第1区推進の意向を伝える考えだ。
一方、小沢鋭仁環境相は17日の会見で「基本的には(1区中断2区中止の)民主党政策集のラインでと考えているが、(公金支出差し止めの)地裁判決を受け、党内でも議論がわき起こっている」と述べ、地元の意向を確認したい考えを明らかにした。
[ことば]
東部海浜開発事業 中城湾港新港地区の港湾で浚渫(しゅんせつ)した土砂を泡瀬沖合に埋め立て、第1区域約96ヘクタール、第2区域約91ヘクタールに分け、人工島を造る計画。東門市長が2007年に「1区推進、2区困難」を表明し、土地利用計画の見直しを進めている。反対派が提訴した民事訴訟では、昨年11月に那覇地裁が「経済的合理性がない」として、県や市に公金支出差し止めを命じ、両者が控訴している。
沖縄タイムス,9月18日朝刊
投稿者: you
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