2022年5月29日日曜日

「我が祖国 (This land is made for you & me)」 2006/8/17 

「戦没者の尊い犠牲の上に,今日の日本の繁栄がある」のは,そうかも知れない.あの戦争がなければ,日本は帝国主義と侵略の妄想から醒めなかっただろうから.

だが,戦没者を「祖国を守るために戦った人たち」と呼ぶのはどうか? 祖国を守るために戦ったのは日本以外のアジアの人々であり,日本の戦没者は侵略戦争という国政の犠牲者ではないか.それは,彼らの死の意味をすりかえる大きな詐欺であり詭弁だ.

先の戦争の教訓は執政者の錯誤と詭弁が,人民に多大な死と犠牲を齎すというものではないのか.

執政者個人が持つ思想や人格は,国政に大きな影響を齎す.執政者に嘘と詭弁は許されない.ああ,政治家にはなりたくないものだ.

執政者の思想的責任・国政の問題を,「心の問題」「個人の自由」と言い開くのは,まるで最近の若者のように素晴らしい.彼らは,まわりにどんな人間がいても,自分の性格と生き方にしか興味がない.それを「馬鹿の壁」の著者までもが支持する.脳生理学的には政治は理解できないのだろう.

煙草を吸う個人の自由もない国の現代の最大の自由は「靖国に参拝する自由」なのだ.

日本人は宗教を持たない,神を信じない,もしくは最多の神々を信仰している.日本人には真(まこと)はあるが真実は存在しない.真は不変であるが,真実は現実によって変わる,だから心の真以外は何も信じちゃいない徹底的な現実論者なのだ.

小泉さんが靖国に行くことも,彼の心の誠なのだ.

だが,問題は政治を司るという責任なのだ.それは,宗教を司る責任ほどに大きい.宗教責任者が大量殺戮を犯しているのが,現代の地球の最大の問題ではないか.

政治を語るのは愚かだ,政治は語るものではなくするものだ.だから,政治に参加せず,見て見ぬふりをして,A級戦犯の言いなりになった日本人は全員が戦争犯罪者なのだ.

民主主義の原理はとても簡単だ.それは「義を見てせざるは,勇なき也」に要約される.

日本人は軍国主義への反省から,男らしさも勇気も失ってしまった.後にはアメリカに媚び諂う男芸者ばかり.何故,神風という思想まで捨て去る必要があるのか?

日本人は「正論」を語ろうとしない民族だ.何故なら,正論は「真実という思い込み」に根差した空論でしかないから.

「おはよう」「こんにちは」「元気か」「生きちょったんか」,肺が声帯を振動させる空気の間にしか真実はない.

No time to think,考えること,思想はあまりにも遅く,この今の瞬間にも死んでゆく宗教戦争の犠牲者を救うことができない.

「思想は口の中で作られる」(Tristan Tzara)


投稿者: 由

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