泡瀬の問題は,もちろん終わったわけではなくて,第一区の埋立もやっぱりやめようとか,埋立面積をもっと小さくしようとか,埋立地の形状を考え直そうとかいう議論が,これからも必要です.
埋立を元に戻す,もしくは縮小して,自然再生型の事業に転換することもできるわけです.従来の計画通り,埋立地にホテルなどを建てるという選択肢が,経済的・将来的に有効か,ちゃんと見直すべきです.
泡瀬の工事,防波堤の伸長や浚渫の影響は,既に泡瀬干潟全体に及んでいて,砂の堆積・侵食が繰り返されて,潮間帯の海草藻場は壊滅状態にあります.沖縄総合事務局は,工事のせいじゃない,そんなのカンケーねえ,と言い張ってますが,とにかく第三者の意見などをちゃんと聞いて,少しでもまともな環境政策がとられるよう御願いします.
工事のせいじゃないなら,何故,誰かさんは,某高名な海岸侵食の専門家の泡瀬訪問に,政治的圧力をかけて妨害したりするんでしょうね.そこんとこ,良い子たちは,詳しい話を聞きたいな.
防波堤の伸長で,既に流速が速くなっていて,埋立地ができると,トカゲハゼやクビレミドロに静穏な泥地や砂地が維持されるかも疑問です.
モニタリングという手法が開発における保全の「金看板」のように使われていますが,モニタリングとかアフターケアの保全対策というのは,予算が無くなると打ち切られてしまいます.
つまり,人為的な保全策というのは,予算によっては打ち切られてしまうので,もう俺にはカンケーねえになっちゃうんです.新港地区のトカゲハゼ保全もそうなりつつあります.そりゃあだって,人間様も今日を生きるのが精一杯な今の日本で,爬虫類のような魚のためにいつまでも湯水のように金を使えるわけがないんです.
人口海浜も全く同じで,維持のために莫大な税金が必要になります.
こうした政策は,生物多様性条約が目指す,あらゆる意味での持続可能な社会の維持と発展という理念に反しています.
地域の自然・社会状況に適合した持続可能な開発,そこから生じる利益が,可能な限り地域住民や国民に公平に分配されること,富の偏りをなくすことを,生物多様性条約は求めています.
有明海でも,ノリ漁業の危機に税金が支援されていますが,こうした税金の使い方すべてが,生物多様性や海洋生態系への無理解から生じている,負の経済的スパイラルだと思いませんか.
自然環境を可能な限り守り賢明に利用する道,持続可能な社会の発展方法・開発方法を選んでいれば,自然保護や資源保護への「奇妙な税金の肥大」もありえないはずなのです.
漁業者が莫大な借金を背負ったり,魚やノリが獲れなくて生活できなくなるという状況が,まともな社会だと思いますか.
公共事業の利益が,ごく一部にしか分配されず,いびつな開発に伴ういびつな税金の支払いが市民に請求される社会を,成熟した社会と呼べるでしょうか.
いいかげんな政策で,庶民にツケを回さないことは,政治家と役人の大きな責任です.
東門さん,そうですよね.
投稿者: 由
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