心臓の右側や左側で,俺はロマンスを待っている.この時期に散歩すると,三日月の近くの金星が,とても綺麗だ.
噛むか死ぬか考えている.噛む方がいいに決まっている.俺は鰐のようにかっこよく長生きしたいし,まだ入ったことがない洞窟があるのかなと思うと悔しくて夜も眠れない.
魚のイメージで闇の底に降りていくと,くだらない夢や,こんがらがった言語があって,それは古びた煉瓦塀の細い路地になっていて,俺の冷たい中庭に続いている.そこではニンフたちが,生の心臓を食べて,汗臭い酒を飲んでいる.
恋人を呼んでみろよ.
すげえ嵐が起こって,動物たちが新しい落葉の中を走り,歓喜と悲しみが一度に沸き起こる.皮膚の下は,方向の定まらない螺旋でいっぱいになって,アルコールが見たことのない世界へ導いていく.
船が港に着くと,俺たちは頭痛を持って出かけていった.豚は破産していて,旗が空を掻き毟っている午後に,雲を食べよう.そこでは,天使が悲劇の物語を描いていて,ピンク色の囚人が恋を呪っている.黒い森の中の猫が出口を毛玉と一緒に吐いている.死者が生き生きとモノクロームの中で酸素を吐き,炭をダイヤモンドに変えてる場所.それが股の間で二つに分かれた故郷だ.
告白の期限が迫っている.蝉たちが雨のように落ちて来て,通りを埋めてしまう.
投稿者: 由
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