髪型落語協会のプレイランド師匠から「長靴がにあうおあにいさん」と言われたことは,格別にうれしく,長靴の話.
思い出1:小学2年生の頃,雨の日に長靴を履こうと思ってひっくり返したらマイマイカブリが飛び出してきて,仰天した.九州のマイマイカブリはでかい.
思い出2:故郷の島で,村民運動会の時に,いとこが長靴でリレーに登場して,とてもかっこよくて興奮した.いとこは漁師の息子で,今は島で現役の漁師だが,「熱いこの血はよー」という感じで,そのドカドカドカという長靴の走りっぷりはとにかくかっこよかった.スプリント・シューズなんて,ださいもんよ.
思い出3:私は高校3年の時,読売新聞社の学生科学賞「科学技術庁長官賞」というのを授賞して,授賞式に皇居に行くことになった.全国の学生授賞者と一緒に,昭和天皇からのお言葉と授賞を受けて,5mまで昭和天皇に接近した.当時の私は,進学至上主義一色の高校での「反体制の旗手(プリンス)」であり「プロテスト・シンガー」でもあったため,授賞の栄誉を享受する立場になく(笑),せめてもの反骨精神の表現として,長靴をはいて出かけた.ただ私は非常に小心者で常識の固まりでもあるので,長靴はラッパ・ズボンの下に隠して「テカテカした革靴」に見せかけて,授賞式に出た.そういう自分が可愛いいと思います.間近で見た昭和天皇は高齢で,歩き方が砂の上の原猿類という感じで,正しく神のように人間離れ・浮世離れした「素晴らしい生物」だった.
思い出4:長靴と言えば,忘れられないのはこの唄だ.
僕は黄色いノータリン
長靴履くなら お手のもの
いつでもカァー
なんでもカァー カァー!
(石川浩司:「黄色いノータリン」)
長靴というのは,ピチピチチャプチャプランランランで,楽しいもので,民衆とプロレタリアートの象徴であるわけですな.
皆さんも,長靴思い出話を,コメントにお寄せ下さい.
投稿者: 由
前ブログでのコメント
返信削除投稿者:山下由2006/7/6 7:37
カノカワガイで有名な鹿川には,いつか行ってみたいです.
あの頃の私に帰って,あの頃のあなたに会いたい,もいちど.
投稿者:プレイランド2006/7/5 23:55
西表島の廃村に通って研究をしていたころ。靴は重いキャラバンシューズだった。食糧をつみ、テントを載せた舟をチャーターして約1時間。祖納から鹿川村は遠い。着いてみて気がついた。靴を出発の浜に忘れてきた!
つらの皮は厚かったが、裸足で、自前の皮ぐつで歩けるほどでなかったが、なぜか無人の浜に、長靴が一足、2本の棒に逆さまに干してあった。ありがたく借り受けて、藪の中を歩いた。くるぶしの後ろに穴があって、湿地でひるにやられた。
ただあなたの優しさが怖かった、あのころ。
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