泡瀬海域の保全は,最終的には,その生物多様性の価値が科学的・社会的に,適正に判断されるかどうかにかかっている.適正に判断されれば,埋立という結論はあり得ないと考えられる.そのため,東部海浜開発事業においては,科学者の意見を広く受け入れ,充分に科学的な議論を行なう必要がある.海洋生態系を保全し,社会的・経済的に有効に利用することまで含めて,これらは全て人間が生き残るための生物学なのである.人類が生物である以上,その社会的発展方法と未来の構築は,生物学的に行なわれなければならない.でなければ,我々は生存の基盤を失うことになる.いくら金があっても,我々は食べるための魚の一匹も作り出すことができないのである.これは,きれいごとでもなんでもなく,地球上の海洋生物資源の減少や汚染の危機的状況は,既に多くの科学者やマスメディアが伝えているところである.海洋生物資源の保全においては,海岸環境をこれ以上破壊しないことが極めて重要であり,現代の危機的状況の中では最優先されるべき課題として社会的に強く意識化されなければならない.
沖縄の戦時中の食料危機を,海の生きものたちが助けてくれたことを,もう一度思い出して欲しい.
そして,素晴らしい琉球・沖縄の固有の自然・文化・人の素晴らしさを,日本本土型の開発・文化・教育の押し付けが,いかに破壊してきたかを,ウチナンチューはあらためて思い出すべきである.
熱い魂を,優しい心を,素晴らしい琉球・沖縄を,ヤマトから取り戻さなければならない.
そのための第一歩として,泡瀬の埋立を中止し,未来の豊かな沖縄の姿を皆で考え,歩き出すべき時ではないだろうか.
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