ヨハネによる福音書 第2章
ガラリヤのカナに婚礼があって,イエスの母がそこにいました.イエスとその弟子たちも出席していました.
婚礼に欠かせないワインがなくなると,母が「ワインがなくなりました」とイエスに言いました.イエスは「婦人よ,わたしとどんな関わりがあるのです.わたしの時はまだ来ていません」と言いました.母はイエスの機嫌が悪いと見て取るや「この方の言いつけることは,なんでもしてあげて下さい」と皆に言いました.母をWomanと呼ぶあたり,いかにも気分が最低のようです.イエスはしばらく考え込んでいましたが,「かめに水をいっぱい入れなさい」と言いました.ペテロが亀に水をいっぱいに入れました.「なにやっとんねん,お前はー.その亀やあらへんで,堪忍してやー」とキリストが故郷の言葉でつっこむと,弟子たちはやっとイエスの聞き取りにくいヘブライ語を理解して,大きな甕いっぱいに水を入れました.そしてイエスは「汲んで料理長のところへ持って行きなさい」と言いました.料理長がそれを舐めてみると,とてもおいしいワインだったので,花婿を呼んで「普通は酔いが回った頃に,まずいワインを出すもんだが,こんなうまいワインを後にとっておくなんざあ,あんた若いのにたいしたもんだ」と言いました.なけなしのお金で精一杯のワインをふるまったつもりだった花婿は,イエスのいたずらのおかげでしょんぼりとしてしまいました.宴席では皆が花婿をなだめ,「誰があいつを呼んだんだ」と大騒ぎになりました.
「婦人よ,わたしとどんな関わりがあるのです.わたしの時はまだ来ていません」とは,自分の結婚式でもないのに勘弁してくれよという意味で,イエスは婚礼へのささやかな嫌がらせに成功したと言われています.めでたし,めでたし.
これは,イエスが最初に行った奇蹟,水をワインに変えたという有名なお話です.
この話を聞いて,すぐに思い浮かぶのは「カナも年頃,カナも年頃,大島育ち」という田端義夫の「島育ち」ですが,もちろんカナというのは地名であって,花嫁の名前ではありません.
さて,私はここ数日,お酒も煙草もそこそこに,つつましく暮らしていましたが,昨日の夜,大変な愛の欠乏を覚えまして,「コンキシャー!!」という状態になってしまい,煙草を立て続けに吸い,冷えた白ワインを一本飲み干してしまいました.
「ワインがなくなりました」と私は自分に言いました.「しかもこれは女房が買っておいた亜硫酸塩無添加の料理用の大切なワインです」と私は自分に懺悔しました.しばらくの間,私は神の子らしく落ち込んでおりましたが,「私とどんな関わりがあるのです!」と毅然と立ち上がり,台所に行って瓶に水を入れて冷蔵庫に戻しました.人の子はワインを水に変えるという奇蹟を行われたのです.
赤ワインでは簡単にできませんので,御注意下さい.
投稿者: 由
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