それで,昨日は調子に乗って,親子丼を作った.洋の東西を問わず,至高の丼と呼ばれ,秦の始皇帝が邪馬台国の卑弥呼にレシピを何度も聞いて「ウザイ」とまで言われた,食の正倉院・親子丼である.
簡単レシピ
1)1カップのビーカーに水道水をなみなみと注ぎ,醤油・味醂・鰹節を好きなだけ心ゆくまで気が済むまで入れて,マントラを唱えながら,アルコールランプに備長炭で火をつけ,ビーカーをのせます.ランプの周りで,ひとしきり踊った後で,いけにえに用意した鶏のささ身を口で一口大にちぎり,大声を上げながらビーカーに放り込みます.タマネギはノギスで殻長・殻高を計測した後,ミクロトームで20ナノメートル角に切り揃え,サザエさんがジャンケンを始める時間にビーカーに投入します.
2)天気予報を見てから,卵を脇の下で2分間暖め,手刀で1個ずつ丁寧に割って,左の手の平の上で溶き卵にし,さらに愛情だけで熱を加えましょう.
3)丼に御飯をついで,ビーカーから鶏と玉葱のドロドロした混合液を注ぎ,手の平から愛で熱くなった卵を流し込みます.
4)仕上げに,三つ葉(無い場合は四葉のクローバー)を散らして,できあがりです.
5)全世界の鳥類に感謝し,「ドードー」と言いながら,食卓に載せましょう.
しかしこの親子丼は失敗だった.アルコールランプの周りで,調子に乗ってカチャーシーを踊り過ぎて,タマネギーチャンプルになってしまった.料理というものは実に奥が深いもので,一朝一夕に会得できるものではないとしみじみ思った.そうでなければ,世の主婦たちが玉子焼きを作るだけで,あのように偉そうにしていることの説明がつかないではないか.
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