2022年6月28日火曜日

「Terrorist in Romance (3)」2009/1/27

そして俺は,偉大な恩寵である死がすりよって来るのを見るが,親しく話す気になれない.

俺の脳には花畑があって,いつでもそこで休むことができるし,俺たちは愛し合うために生まれてきたということが,すっかり分かりきっているからだ.だから残念ながら,何も怖いものがない.


彼女がロケットを作ってくれて,リボンで飾ってくれる.吹きやみそうもない吹雪の中で,一晩中しゃべっていられる.電気も金もないところで,物語は生まれて,春になると川に落ちていって,海へたどりつく.そこには贅沢な愛撫があって,猫だってちょっと照れるだろう.


できるなら,俺はちょっとだけ,人を幸せにしたい.暗闇の中にいる,俺にそっくりな誰かを,,,


川岸には100ダースの菜の花.俺たちが盗みきれないほどの幸福がそこにあって,そうだ,鰐の野郎ものんびり口をあけている.鳥たちが時間を告げる.まず,小鳥の言葉を覚えるのが幸福への近道だ.小鳥が言うように,仕事を休んだっていいし,電車を途中で降りたっていい.鞄と靴を川に放り込んで,裸足で痛いところを歩くんだ.もうすぐ,ミューズがやってくる.信じ難いけど,本当のことだよ.


黴臭い工場の倉庫から出て,昼休みに煙草を吸っていると,冬眠しそこなった蝶がやってきて,俺のボロ靴のちょっと先に,ぼろい黄色い羽を小さく震わせて休む.誰かと日向を一緒に使うのはいいもんだ.ベルが鳴らないように,休みが終わらないように祈る.終わるのは,恋だけでたくさんだ.


生まれたことを証明するために,死ななきゃならんような社会はまっぴらだと思う.俺たちはもっと単純で,丸木舟に乗って,太陽より素敵に笑ってたもんだ.それで,君を好きになったんだけどね.


投稿者: 由

1 件のコメント:

  1. 前ブログでのコメント
    投稿者:山下由2009/1/29 17:31
    蜂子さま

    お便り,ありがとうございます.

    今すごく,寒い韓国に行って,おいしものを食べたい気分です.

    私と同姓同名の人,珍しいですね.これまで知りません.
    ご縁に感謝致します.

    近々,サルボウの話をアップしますので,お楽しみに.

    投稿者:蜂子2009/1/28 22:36
    弊社の社長と同姓同名だったものでたどりついてしまいました。

    私も水産系の大学出身者のはしくれですので山下さんのブログは興味が惹かれるものがあります。
    (と言っても研究対象はマダイでしたが・・・)
    弊社も韓国とは取引をしています。いずれ、社長の名前を検索してどどーんと出てくるくらいに会社をするのが夢ですが、今は全然ひっかかりません。

    ホンビノス貝は身のわりには殻があまりにもごついため可食部、kg単位で安価な値段であっても結局は高くなってしまうような気がします。
    私はそのまま焼くより、シーフードカレーにするのはお勧めですが、メジャーいはならないような・・・・

    また、ちょくちょくのぞかせていただきます。
    足跡まで 

    蜂子

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