その学会で,私は「シマトラフヒメシャコの巣穴に共生するDivariscintilla (異歯亜綱 ウロコガイ科;日本及び北太平洋新記録属)の未記載種」という発表をした.
歌手と車マニアと潟見人とデンマークのバード・ウオッチャーの共同研究だ.
この研究は,和田君の偉大な発見に端を発しているので,感謝を込めて,このスライドから始めた.
いつものように自宅で御機嫌で泥酔してスライドを作り,この「涙そうそう」のカバーで,名古屋大学野依学術記念交流館・カンファレンスホールに私の歌声が朗々と響くはずだったのだが,発表の時間にはすっかり酔いが醒めていて,歌をやめて,極めて冷静にプレゼンを行ってしまった.
その結果,「なんだ,まるであいつは貝類学者みたいじゃないか,おもしろくもなんともねーよ」という不満がそこここから聞こえて来て,私もシマトラフヒメシャコの穴があったら入りたいくらいに恥じ入った.来年は,九州大学で大会なので,ぜひ「黒田節」を歌ってから,発表を始めたいと思う.
父親の死で,私が気がついたたった一つのことは,私は歌うためにこの世に生まれてきたということだった.上手でも,下手でも.
そのようにみんなが歌って,音楽が大昔のように,あたりまえの生活になりますように.誰もが歌い手になることを祈って,私は歌い続けて来た.
今日は風呂で,たくさん歌った.
「系図」も歌ったよ.
*僕がこの世にやって来た夜
おふくろは滅茶苦茶にうれしがり
親父はうろたえて 質屋へ走り
それから 酒屋をたたき起こした
*系図:三木卓 作詞,高田渡 作曲
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