相模湾や九十九里浜の砂浜というのは、いわゆる「外洋砂浜」に分類され、そこには、ダンベイキサゴ・サトウガイ・コタマガイ・チョウセンハマグリなどに代表される「沿岸砂底群集」の貝類が分布している。
この江ノ島の西側にある片瀬西浜では、フジノハナガイ・モモノハナ・カバザクラ・オオモモノハナ・サギガイ・ミゾガイ・ワスレガイ・クチベニなどが、この群集に加わる。この海岸は、東に境川、西に引地川と、二つの河川に挟まれ、江ノ島に続く本来は砂洲の地形もあって、やや閉鎖的で内湾的な環境である。
片瀬西浜では、大潮の時には低潮帯に、このような「干潟」が出現する。普通に考えると、潮が引いたところにできた潟なので、干潟と呼んでもよさそうな感じなのだけど、「外洋砂浜」には干潟は存在しないという見解もあって、低潮帯砂堆とでも呼んだ方がいいのかもしれない。
「干潟」というのは、定義や解釈が、実はけっこう難しい。
それで、息子がこの「干潟」を掘って、チョウセンハマグリを採集してきた。ちょうど私は、潮干狩りに行けなくて、がっかりしていたところなので、これはうれしかった。冷蔵庫で一日飼っていて、それから食べさせてもらった。実においしかったのだけど、殻がまた漆器のような渋い茶色で、とても素晴らしい。いかにも「浜の栗」といった感じ。こういう贈り物が、今でも一番うれしくて、手に持ってニヤニヤしてます。
投稿者: 由
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