金色の故郷の満月を食べに
狼が海辺を歩いていく
片腕を片足に乗せて
天国では彼女が待っているだろう
失恋でふくらませたパンを齧る
三日月がそれを見ていて
氷でできた心臓を
オーブンでゆっくりと焼き上げる
耳には死者が詰まっていて
なにも聞こえない
ワタリガニたちが拾い上げた星を
鍋の底で湯掻くのだ
水平線を地平線に変換
恋を愛に変換
Enterを押しても
キーボードに希望はないから
水母(くらげ)は水面(みなも)でカリプソ
海月(くらげ)はテキーラを泳いで
音楽という島にたどり着く
誰もいなかった密林(ジャングル)へ
満月の血を飲みに
狼が海辺を歩いていく
肺に心臓をつめこんで
天国では彼女が愛を野菜で炒めている
愛を野菜で炒めている
23 February, 4 June 2014
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