2022年5月31日火曜日

「九州帝国」2006/10/22 

博多と香椎で飲んで,料理があまりにもおいしいのでウンザリした.こんなおいしいものをあたりまえのように毎日食べてるから,九州はいかんよと思う.それで,九州人はますます暢気になり,脳天気になり,へらへらする.サバの刺身があまりにもおいしいので驚愕した.私も九州人なのに,これは今まで食べたことがなかった.人生を損してきたような気分だ.

一緒に飲んでると,楽しいことと冗談しか言わないのが,九州人の偉いところだ.

つやつけたり(かっこつける:福岡),議を言う(理屈をこねる:鹿児島)なんてのは,社会のマナーに反することである.

明治政府による西郷隆盛の暗殺未遂が発覚した薩摩で,政府への出兵が西郷とその弟子たちで協議された.出兵への慎重論をいともたやすく撃破したのは「おはんら,死んとが恐ろしうて,議をいうとな?」という篠原国幹の一言である.

九州では,議をいうのは恥ずかしいことであり(鹿児島),武士道とは死ぬことと見つけたり(佐賀)であるので,この一言には誰も逆らえないのである.そして,そのような全くただただ九州的な生活習慣のために,鹿児島人は西南の役に突入し討ち死にするのである.

熊本においては「肥後の議論倒れ」という諺があり,熊本人は自己主張が強く俺が俺がと騒ぐだけで,他人の言葉に耳を傾けないため,話が全くまとまらないと言われている.これは,幕末の文久元年,庄内藩の志士清川八郎らが肥後勤王党に決起を呼びかけに来た時の話で,肥後勤王党の人々は議論百出して意見がまとまらず,清川はこれにあきれて「肥後の議論倒れ」と捨てゼリフを吐いて帰ったと言われている.

このように九州は,議論することはださく,議論しても意味がないという社会なのである.人生を深刻に考えない人たちの帝国であり,「武士道とは死ぬことと見つけたり」なんてのはもう,私は決して考えたり悩んだりしませんという宣言であって,人生への苦悩も悲壮感も微塵もない社会なのである.

九州は素晴らしい.早く道州制が導入されて,独立して欲しいものだ.


投稿者: 由

1 件のコメント:

  1. 前ブログでのコメント
    投稿者:山下由2006/10/25 7:06
    博多ではもっぱら,サバの刺身は胡麻と醤油で食べますね.これを胡麻鯖というのですが,ゴマサバとイコールではありません.
    胡麻鯖を熱い御飯にのっけたお茶漬け(いわゆる「琉球」)も定番のようですが,博多では「琉球」と呼んでいないかもしれない.これも,めっちゃうまい.

    投稿者:サバ好きおやじ2006/10/22 22:44
     サバの刺身ね。郷里の(ひとつ)富山県でも食べます。氷見のお寿司やさんで食べました。屋久島では、ゴマサバの刺身を食べます。首を折って血を抜いた首折れが人気です。
     よくかんでひょっとしたらいるかもしれないアニサキスを殺しましょう。近所のおじさんが、アニサキスい胃を咬まれて、「世界がぐるぐるまわる」と言っていました。

    http://ankei.jp

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