4月8日,日米カキ礁シンポジウムが,和洋女子大学で開催された.アメリカから3人のカキ礁研究者が来日し,日本からは鎮西清高博士と向井宏博士が参加して,素晴らしい講演がされた.
2005年4月10日,市民調査グループの招待で鎮西博士(京都大学名誉教授)が三番瀬猫実川河口域を訪れ,そのカキ礁の存在が「三番瀬の奇蹟」として大きく報道されてから,2年後に結実したシンポジウムである.
このシンポジウムによって,カキ礁の生態系における重要性が,日本の社会や科学界の中にしっかり根付いて欲しいと心から思う.2005年もしくは今年は,日本における「カキ礁元年」であると,私は思う.
カキ礁という存在・用語は,かなり分かりにくい.生物研究者でも,正確に理解している人はかなり少ない.それを市民社会に定着させるのは,大変なことである.しかし,カキ礁を理解し考えることで,海洋生態系,特に干潟生態系の複雑性に関する議論は大いに深まるだろう.
このシンポジウムを敢行した,実行委員会の高島さん・伊藤さん・中山さん・牛野さんなど多くの人々の労をねぎらいたい.生物の専門研究者ではなく,市民たちが,カキ礁という生態学上重要な問題を社会に提起し,日本の生物学史に新たなページをもたらしたことに,畏敬の念を表したい.
アメリカでのカキ礁シンポジウムのマスコット,オマール君が日本に登場.このコスチュームは,アメリカから送られて来た.日米カキ礁シンポジウムの会場では,カキ礁のTシャツやバッジ,厚岸のカキのお菓子なども売られていて,素晴らしいカーニバルだった.学術的なシンポジウムをお祭りのように楽しくすることはとても大切だ.実行委員長の高島さんのセンスが随所に反映されていて,素晴らしいシンポジウムだった.
投稿者: 由

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