泡瀬埋め立て訴訟で那覇地裁が支出差し止め命令
11月19日12時25分配信 琉球新報
希少生物が生息する沖縄市の中城湾港泡瀬沖合埋め立て(東部海浜開発)事業をめぐり、住民ら582人が県知事と沖縄市長を相手に支出済みの公金約20億円(2005年提訴時)の返還と将来の支出差し止めなどを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(田中健治裁判長)は19日、県知事側に支出の差し止めを命じた。
判決は沖縄市と沖縄県が行う事業については経済的合理性を欠く。経済的合理性を認めることはできない。以上から差し止め請求は理由がある」とした。ただし、本件確定まで(19日まで)の支払い義務が生じるものは除くとした。
県知事側は、同事業が沖縄市に集客性の高い地区を形成し、新たな雇用の場を確保する目的があり、経済的合理性を有し、第一次的に執行は行政機関の裁量に委ねられていると
主張。自然環境の保全については沖合約200メートルに展開する出島方式で82%の干潟は残る計画で、新種にも十分に配慮した上で事業実施されているとし、事業の過程に違法性はないと請求棄却を求めていたが、判決は県知事側の主張を退けた。
原告側は泡瀬干潟について、約300種の貝類や環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定される海藻、100種を超える渡り鳥などが確認される国際的に重要な場所と強調。埋め立てにより、日本で中城湾にだけ分布するトカゲハゼなど多様な生物の生息域が縮小すると指摘し、泡瀬干潟を保全する必要性を主張してきた。
その上で、事業に伴う環境影響評価(環境アセスメント)について、不十分な調査や予測になっているとして「環境影響評価法に違反している」と主張、批判していた。
投稿者: 由
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