さて,xx学会では,シャミセンヒキというミドリシャミセンガイに共生する二枚貝の話をした.これはデンマーク・韓国・日本の研究者の共同研究で,デンマークのLutzen博士が書いた講演要旨を手抜き+嫌味で英語で提出していたので,「おっ,次は英語の発表のようですが」と座長から辛いつっこみが入り,「(英語でしゃべるのが)あったりまえじゃん」と会場からも聞き覚えのある声の野次が飛ぶ.
動じることなく,ネイティブの流暢な日本語で発表.調子よくやっていたんだけど,途中からものすごい咳に襲われて,声が掠れて出なくなってしまった.強烈な咳を続け,後半はもう,声をぎりぎり絞り出して,なんとか終わった.私は,このところ慢性的な気管支炎にかかっている.
休憩に入ると,某会長が待ち構えていて,「君ねえ,咳をする時は,マイクを口から離しなさい」と言われて,爆笑した.そう言えば,強烈な咳をしてる間も,ハンドマイクをしっかり握りしめて,ホール全体に咳の音を拡声し響き渡らせていた.
これは,喉から音が出ている間は,マイクから口を離さないようにするという,長年の歌手生活の習性で,「ああ,俺は根っからの表現者なのだなあ」と思って,聴衆に騒音を聞かせ肉体の叫びを続けた自分を,むしろ褒めてあげたい気分になった.
そんなこんなで,言いたいことが半分しか言えなかったのは残念である.
思えば,公園でカツカレーの昼食をとっている時に,一匹のカラスがやってきて,ずっとゲーゲー鳴いて苦しい咳の形態模写をやっていた.その時は,意味が分からなくて,「うるせえな~」と思っていたんだけど,なんと情け深いカラスの警告であったことか.生ビールを飲んで,喉を調整しておくべきだった.
豊橋市内にあった「貝屋はつらいよ 私の寅さん 一個下さい」のポスター
投稿者: 由
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