2022年6月4日土曜日

「海で人はなにを考えるか」2007/5/14 

海にいると,とても気持ちいい.長島の海が守られたら,この海域で素晴らしいエコツアーができるだろう.現在,「長島の自然を守る会」と祝島漁民が協力してやっているスナメリ・ウオッチングやビワ狩りなどに加えて,この海域の離島の自然をつなぐ素晴らしいネットワークで,瀬戸内の原風景を守り楽しみ,本当に住民主導でこの地域で生計をたてていく,夢のような選択肢がたくさんあると思う.

山菜や海藻の手摘みと料理,蛸壷漁の体験でもいいし,フィールドミュージアムを作ってもいい.フィールドミュージアムには,「長島の自然を守る会」がこれまで培った人脈で,たくさんの研究者が来て,自然体験の講義を行ってくれるだろう.そして何よりも,持続可能な漁業と農業.

そういう未来を頭に描いて頑張っている「長島の自然を守る会」のほんの数人のメンバーと祝島漁民たちには,本当に頭が下がる.

長島の原発建設は,周防灘・伊予灘・広島湾・安芸灘全体の未来に関わる大きな問題だと思うが,周辺地域の関心は薄い.大分県でも広島県でも,よそごとみたいだ.

スナメリがアビがカラスバトがいようと,中国電力と経済産業省には関係がない.祝島漁民が有史以来利用し,現在も利用している漁場が,生活の場がそこにあろうと,中国電力と経済産業省には関係がない.

アセスメントが実際的には機能していない現代社会では,企業・官庁の良心でしか自然は守れない.そして,科学的・民主的良心を踏み躙る無神経さが,開発を進めるにあたって,最も必要なものなのだ.

上関原発計画では,その無神経さがいかんなく発揮されている.企業・官庁の良心,生態系と漁業・漁民(真の住民)に対する理解は,疑いなく世界最低レベルだ.

ここでいう良心とは「小さきものへの理解」だ.それが,生態系に対する理解だ.誰にでも自分の生活と安らぎがあるだろう.自分や家族や子供たちへのささやかな思いがあって,幸福は絶対的にささやかなものなのだ.

カラスバト一匹がささやかに暮らすゆとりも,この星にはないのか.

社会・システムが作り出す,この欺瞞をよ~く眺めるといい.自分の墓にかけるための土を莫大な金で買い取るために,我々は働かされている.ただだった土を買い取るためにだ.

一匹の魚が,夕食の皿の上にのっている.それは本当に奇蹟的なことだ.


海で見る自分のオーラ


投稿者: 由

1 件のコメント:

  1. 前ブログでのコメント
    投稿者:山下由2007/5/19 0:13
    辺野古も上関と同じ「環境調査」段階ですね.防衛庁の事業とは言え,自衛艦を使っていいのかどうか疑問です.違法なんじゃないかという気がしますが.

    投稿者:モモノハナ2007/5/18 16:18
    上関も本当にひどい話だと思うけど、沖縄の辺野古にはなんと横須賀から海自艦がやって来た。自衛官がアセスの事前調査とか言うのに参加している。辺野古は紛争地域なのか?

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