2022年6月25日土曜日

「立ってるものは 脳でも使え」2008/11/1 

上関原発の埋立免許が交付されたわけだけど,山口県では海洋生物のレッドデータブック(RDB)評価は非常に不充分で,海洋生態系の状態を正当に評価できる政治的・社会的段階にない.だからはっきり言って,海洋生態系に関して「環境への影響は軽微である」などと,ぬけぬけとぬかすことは許されない.

山口県では最初のRDBが編纂される際に,海洋貝類の登載が頑なに拒否された.山口県RDBの貝類部会は,1500種超の種を検討し,約700種の貝類をRDB登載候補種とした.これに対して「汽水ではなく海洋の貝類が多く含まれている」「種数が多すぎる」という非常に理不尽な理由で,多くの汽水~海洋性貝類の登載が拒否された.1500種超の種を斬新な数値評価を取り入れて検討した当初の貝類分科会は,行政と決裂し解散され,替わって新たな貝類分科会が陸・淡水貝類を中心に執筆した.1500種超の種を検討した当初の分科会の莫大な労力と努力,生態系全体への保全の意志を思う時,取って替わった分科会のメンバーには恥を知れと言いたい.

この頑なな海洋貝類の山口県RDBへの登載拒否は,上関原発計画への配慮であろうと言われており,当時のそのようなキナ臭い会話がたくさん残っている.

海洋生物のRDB評価には様々な問題や障害があるとしても,それができないうちは海洋生態系の現状を評価できないということであり,希少種への対策もできないのだから,埋立などとんでもない!

もっとも,沖縄の泡瀬干潟のように,県のRDB種が100種以上あっても,埋立を継続している内閣府もあるけどな>つまり,法律はいつまでたっても,抜け道のためのものであり,犯罪を犯すための規準に過ぎず,良心のためのものではないということだ.

山口県や電力会社や御用学者が「私は海のことは分かりません」と謙虚に認めるならけっこうなことだが,現状は「分かるのかどうかも,分かりません,鎖国しているので,すみません」が,せいぜいだろう.

海のことが何も分からないなら,せめて祝島の漁師・漁民の言うことを謙虚に聞いてはどうだろうか.

あなたたちの脳は「筋肉ほども知的ではない」.



某学会での発表ppt.

上関原発埋立計画地に生息するシナヤカスエモノガイ.こうした多くの貴重な海洋生物に関する評価がなされないまま,埋立が行われようとしている.


投稿者: 由

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