ハボウキガイは,琉球列島では奄美大島と沖縄島のみに分布する.沖縄島では羽地内海,金武湾,中城湾などに分布し,金武湾,中城湾では海草藻場に生息している.泡瀬干潟の海草藻場を代表する種の一つである.
泡瀬干潟の海草藻場では,本来は写真4のような状態で海草に埋もれる生息しており,慣れないと見つけるのが難しい.
現在,泡瀬干潟の海草藻場は,砂の堆積・侵食によって大きく破壊されており,砂漠のようになった海草藻場に,多くのハボウキが露出している(写真5).
そして,多くのハボウキが死滅している(写真6).
ハボウキの生息・死滅状況は,現在の泡瀬干潟の海草藻場の破壊状況を極めて雄弁に物語っている.泡瀬の海草藻場の環境を確認するための重要な指標種である.
写真4)2004年6月3日,泡瀬干潟.海草に埋もれて生息するハボウキ.注意して見ないと気がつきにくい.
写真5)2007年6月15日,泡瀬干潟.消失した海草藻場に生き残るハボウキ.現在は,こういう状況のハボウキが非常に多く見られる.
写真6)2007年6月15日,泡瀬干潟.砂の堆積により消失した典型的な海草藻場のマウンド.干潟にささったまま死んでいるハボウキを引き出して撮影.死殻が8個,生貝が3個見られる.非常に多くのハボウキが死滅している.
投稿者: 由
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