2022年6月5日日曜日

「世界初です!!」2007/6/23 

2005年に「改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生動物-レッドデータおきなわ-」(沖縄県文化環境部自然保護課,2005)が出版された.泡瀬にも絶滅危惧種の海洋動物が大量に存在することが明らかになった.沖縄総合事務局の調査でも,「レッドデータおきなわ」に登載された海洋動物のうち,113種(魚類3種,甲殻類11種,貝類99種)が泡瀬に生息することが確認された(沖縄総合事務局,2006).国あるいは県のレッドデータブックに登載された種は,「種の保存法」あるいはそれに類する県の条例によって「希少野生動植物種」として解釈される.「希少野生動植物種」は,当然のことながら,絶滅の恐れがある種として,保全されるために選定されている.しかしながら,沖縄総合事務局は「生息地外での保全」「モニタリング」という「保全対策」を示して,工事を継続している.こうした「保全対策」は,「希少野生動植物種」は本来の生息地と共に保全されるべきであるという多様性生物学・保全生物学上の原則に反している.113種もの「希少野生動植物種」が生息する海域を埋立てる公共事業は,恐らく全世界において前例がない.レッドデータブックの評価を軽視することは,レッドデータブックを出版した県の環境部局との内政矛盾であり,また執筆者である多くの生物研究者の労力を踏み躙るものである.このような事業者の対応を,県知事・環境部局が容認していることも非常に大きな問題である.

また,2006年から今年にかけて,泡瀬干潟を模式産地として,ホソウミヒルモ・ヒメメナガオサガニ・ザンノナミダという3種の新種が記載されている.生物の新種が3種も発見された場所を埋立てる公共事業は,日本では前例がない(世界中でもないかも).

泡瀬の埋立事業を継続するならば,内閣府・沖縄県・沖縄市は環境行政史上の世界的・歴史的汚点を残すことは極めて明白である.


投稿者: 由

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