2022年7月16日土曜日

「阿久根 脇本」2012/4/25


私たちは何故、九州の辺境をさまよっているのだろうか。

誰が何を望んでいるのだろうか。

旅の果ての鹿児島の北西海岸では、老婦人が外洋砂浜に線を刻んでいた。

鎌で砂を浅く鋤くと、カチと蛤にあたる。

それは世界で最も小さな感触と音のひとつだろう。

ごく小粒のチョウセンハマグリが鍋にかけられて、味噌汁ができあがる。

東支那海の夕陽も風の音も、みんなその中にあって、人間の胃袋の中では言葉が眠ろうとしている。

波で消えていく絵を描くために、明日もここに来るだろう。



投稿者: hiroyoshi

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